運良くニホンミツバチをつかまえた後に上手に飼うためには日常の管理が大切です。
目次
①巣箱の中を掃除
ニホンミツバチを飼っていると、巣の中でミツバチが体から出したワックスで新しく巣をどんどん大きくしていきます。
女王蜂が産卵をして、育児を始めて働き蜂の数が増えていきます。
因みに、働き蜂が卵から幼虫になり、サナギから成虫になるまでに約19日かかります。
蜂の数が2万匹程度の巣になるまでに巣を作ったり、壊したりミツバチがする中で巣のくずが出ます。
その巣のくずを餌にして、ニホンミツバチの巣に住み着こうとする「蛾」がいます。それが「ハチノスツヅリガ」という蛾です。
この蛾がやっかいで、巣に生み付けられた卵が幼虫になる際に、ミツバチが作った巣の中に入り込みます。
ミツバチの巣が蛾の幼虫だらけになってしまうとミツバチは子育てできなくなり新しい場所を目指して逃げてしまいます。
ミツバチの数が多くて元気のある巣は、蛾が巣の中に入って卵を産むのを防ぎます。ミツバチの数が少なかったり、何となく元気のない巣は要注意です。
そのためにも、定期的に巣の中の底に貯まった巣の屑を取り出してきれいにしてあげる必要があります。
掃除の回数を減らすコツは、若干前に傾斜を付けて巣を設置することです。こうすると、ミツバチが出入りする際に巣の屑も一緒に外に出ます。
②巣箱を設置した場所を観察
一度設置した巣箱の場所は簡単に変えられませんが、設置後に数日巣箱の様子を観察して環境がよくなければ改善する必要があります。
・日中直射日光が当たっているような場所は、春のうちは大丈夫ですが盛夏の頃にハチミツが貯まって重くなった巣が、巣の中の温度上昇により巣が柔らかくなって巣が落ちてしまいます。
運悪く女王蜂が巣の下敷きになってしまうとその巣はダメになってしまいます。
女王蜂が大丈夫でもニホンミツバチの逃去の原因にもなります。もし、直射日光の当たるような場所だった場合は、「よしず」等で日陰になるようにします。
・じめじめと湿気のあるような場所だった場合は、巣の下に台を置くなどして巣を地面から高くすることで湿気を防げます。
集めてきた蜜の水分を飛ばすために、巣の中が湿ったようになっている場合があります。それは、入り口にミツバチが並んで新鮮な空気を巣の中に扇風機のように送ってハチミツの濃度を上げるためです。
③花粉をつけてくる働き蜂がいるか観察
働き蜂が花粉を付けてくるのは、育児が順調に進んでいる証拠です。ミツバチが幼虫の時に食べるのは、ミツバチが集めたハチミツと集めた花粉を混ぜた花粉パンです。それ以外には食べません。
ハチミツは越冬の食料でもありますが、花粉と混ぜ合わせて幼虫の餌にもなります。ハチミツを集める時期はどんどん蜂が新しく生まれ変わる時期なので育児も盛んであるのが普通です。ですが、何か問題を抱えている巣は順調に育児が行われていないことが多いです。それが分かるのが、働き蜂が花粉を運んでくるかです。
④外敵がいないかチェック
ニホンミツバチ二はいくつかの外敵がいます。
アリ
巣の近くに巣を作ることもありますが、巣に大量に入り込むようなことがなければそれほど気にすることはありません。ただ、アリの巣は壊してしまいましょう。
クモ
ミツバチの巣の近くに巣を作ったり、トンボがミツバチの巣の近くを飛んだりすることがあります。
蜘蛛の巣は簡単に除去できますので日々の観察ですぐに解決できると思います。
ハチノスツヅリガ
巣の掃除の所でもお話ししましたが、巣の中に住み着く蛾。こまめに巣の掃除を行い、除去するようにします。
ツバメ
意外ですが、ツバメにミツバチが食べられている場合があります。
巣別れしたばかりで交尾に飛び出した女王蜂がツバメに食べられてしまったような場合はどうしようもありません。
スズメバチ
これはかなり強敵です。
主にキイロススズメバチとオオスズメバチがニホンミツバチの巣を襲います。
スズメバチに対しては、ニホンミツバチは集団で団子になってスズメバチをくるんで、熱殺する特性があります。
キイロスズメバチは単独でニホンミツバチの巣の前でホバーリングして、掴まえていくことがあります。
ハエたたきやバトミントンのラケットでたたいて退治しています。
オオスズメバチの場合はやっかいで、体も大きくて凶暴なのでキイロスズメバチのように熱殺するのが難しいです。
また、仲間を呼んで集団でニホンミツバチの巣を襲ってきます。
ニホンミツバチの巣の入り口を強力な顎で広げて巣の中に入り込み、数時間で巣を消滅させてしまうこともあるくらいです。
このオオスズメバチを1匹掴まえて、
その蜂を「ぺったんねずみ取り」に付けると、もがきながら助けを呼びます。
その貼り付いたオオスズメバチを助けようと、次々にオオスズメバチが面白いようにくっつきます。
オオスズメバチ襲われたニホンミツバチは、
オオスズメバチが付けた仲間を呼ぶための臭いを消すため、自分たちのフンを入り口に付けて臭いを消します。
観察している時以外で日中にオオスズメバチに襲われたかどうかはそのフンがあるかどうかで分かります。
セイヨウミツバチはスズメバチに対して熱殺ができないので、自然界ではなかなか生きていくのは難しいです。
どの外敵にも、殺虫剤を使うことはしないようにすることが大事です。
殺虫剤を使うとその臭いで、折角のニホンミツバチが逃げてしまうかもしれません。
⑤巣箱を持って重さをチェック
夏に巣箱を持って軽ければ、巣に元気がない証拠。秋に巣を持って軽ければ越冬するのに必要なハチミツが貯まっていない証拠。
その場合は、意図時に必要な量の砂糖水をあげる必要があります。
まとめ
年間を通して、5つの管理をして行きます。
もし、巣に何かあっても、日頃観察しているとその変化を捉えることができます。
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